ウサギモチーフのラグをオリジナルで制作するタフティングユニット「fumeluca(フメルカ)」。KEKEのワークショップで、タフティングを初めて経験したのは今年の4月。そこからたった3ヶ月というスピードで、オリジナルラグを販売するオンラインショップをオープンし、インスタなどで話題となっている。そんな人気沸騰中の二人にインタビュー。タフティングを始めたきっかけやオンラインショップでの反響など、前編と後編に分けて話を伺った。ーまずは自己紹介をお願いします。主にウサギモチーフのラグをオリジナルで制作する「fumeluca(フメルカ)」です。私たちは夫婦で運営しているのですが、作業は分担制で、妻がキャラクターを考えて、私がそのデザインをタフティングガンで打ち込みしています。本職も妻はキャラクターデザイナーをしていて、私はレザー小物などを手掛ける革職人です。↑向かって左:fumeluca中富さん / 右:KEKEスタッフななこータフティングをはじめたきっかけを教えてください。もともとはタフティングを知らなかったのですが、今年の4月に妻の友人夫婦に誘われて、KEKEさんのワークショップへ行きました。2人で1枚コースを体験したのですが、二人とも仕事柄、かなりこだわりが強いタイプなこともあり、私も妻も時間を忘れてのめり込んでしまったのを覚えています。その時は、私たちが飼っているウサギの「いとちゃん」と「ぬいちゃん」のラグを作りました。↑KEKEのワークショップで初めて制作されたラグ夫婦でなにか作るのは初めての経験でしたが、タフティングガンを使って、ラグが形になっていく工程がとても楽しかったですし、特に妻は自身が考えたデザインが自分たちの手で出来上がるのが嬉しかったようで、ワークショップを受けた帰り道に「タフティングガンを買おうね」と、二人で話していたくらいです(笑)。ーそこから「fumeluca(フメルカ)」がスタートしたんですね。タフティングガンを購入したときは、あくまでも自分たちの趣味の延長ではじめようと思っていました。ただ、飼っているウサギのアカウントで私たちが作ったラグを投稿したら、フォロワーの方々から思っていた以上に反響があったんです。「私のウサギのも作ってほしい」という声もいただいて、「fumeluca」として、オンライン販売をしていくことを決意しました。私たちもタフティングを始めたばかりだったので、道具や環境はもちろんのこと、技術面でも整ってからスタートをさせようと、準備期間として3ヶ月ほど練習を重ねていきました。ー具体的にどんな準備をしたのか教えてください。KEKEさんで販売しているスターターセットを購入したあと、まずはタフティングのベースとなる木枠の用意をしました。自宅の近所にあるホームセンターで木と釘を購入し、そのままそこのワークスペースで組み立てました。スターターセットには、木枠の作り方の説明書が同梱されていたので、スムーズに作業ができましたね。ーワークショップでは打ち込み以外は教えてないと思うのですが、どうやって情報収集しましたか?ワークショップではタフティングガンで打っただけだったので、木枠にヘッシャン(タフティング用布)を貼ることや、糊付けなどの仕上げの部分は不安がありましたが、ネットで検索して調べてみたり、わからない部分はKEKEさんに問い合わせたりするなどして、作業をする上で不明な部分は解消していきました。とくに最初は、バリカンでの仕上げ方が難しく止めどころが分かりませんでした。フラットにするためのバリカン専用のトリマーガイドがあると良いかもしれないですね。ー初期投資についてよくご質問いただくのですが、fumelucaさんはどのくらいかかりましたか?初期投資としては、スターターセット6万6千円に加え、他の道具や追加の糸などを合わせても10万円以内で揃えられました。ーKEKEのスターターセット以外で使用した道具などはありますか?作業を進めていく過程で道具も色々試してみました。例えば、トリマー用の刃が曲がっているハサミ。ウサギのラグを作っていることもあり、シルエットに丸みを出したいときに便利なんです。あとは、自身の仕事で使用している千枚通しも使っていて、仕上げの段階で、色と色の境目をはっきりさせたいときなど、糸を傷つけずに作業ができるので重宝しています。ーKEKEの糸以外も試されましたか?はい。試しました。糸もいろんなメーカーさんのものを使ってみましたが、糸の質感やガンを打った感触などを比べると、やっぱりKEKEさんのものが使い心地がいいですね。毛玉もできにくいですし、ガンで打つ時もヨレにくいと思います。KEKEさんのラインナップにない色味は、ほかのメーカーさんのを糸を織り混ぜながら使用しています。ー糸の値段もさまざまで購入先を迷われている方も多いですが、KEKEの糸を使用いただき嬉しいです!最初は、糸の値段が少し高めなこともあり、百均などで売っているものも試してみたんですが、サイズが小さいので使用した量などを考えると、トータルの値段はそこまで変わらない気がしました。なので、練習段階から「糸は自分たちに合ったものを使うべきだね!」と、KEKEさんの糸を使っていました。ーご自宅でタフティングを始める前に騒音を気にされる方が多いですが、タフティングガンの音はどうですか?最初は心配していましたが、意外とタフティングガンの音は気にならないんです。窓を開けて作業していても問題ありません。うちはマンションですが、周りの方からのクレームは今のところないですね。タフティングガンよりもバリカンの音が少し気になります。夜でもバリカンの作業ができたらと、あまり騒音がしないものを購入しましたが、結局馬力が足りなくて、使いづらかったことがありました(笑)。けど、どちらも昼間にやる分には窓を開けて作業していても大丈夫かなと思います。ーその他に自宅で作業するうえで気になった点などはありますか?糸くずのゴミなどが必ず出ることです。ウサギのいるリビングスペースでは作業をしないようにしていますね。糸くずは作業後すぐに掃除機で吸い取って、部屋に糸くずが舞わないように気をつけています。後編はこちらからー準備期間を経て、オンラインショップでの反響はいかがですか?最初は自分たちのウサギのラグを作ろうと趣味の延長ではじめようとしたことが、ウサギを飼っている方々の喜びにも繋がっているのがとても嬉しいです。「fumeluca」が販売しているのは、オリジナルデザインのものと、オーダーでセミカスタムできるものの2種類。ご自身が飼っているウサギさんに似たラグをご購入いただく方も多いですが、やはりオーダーが人気です。ーオンラインショップを通して、特に嬉しかったエピソードはありますか?購入された方が、届けたラグとウサギでツーショット写真を送ってくださるのが、出来上がった後の楽しみになっています。あと、自分たちでは想像していなかったのですが、亡くなったウサギの思い出として当時の写真をもとにオーダーをしてくれる方も。「触り心地は違えど、写真や動画ではなくラグとして自分の子に触れることができて嬉しい」と、声をもらったときは、ウサギが家族のもとへ戻ってくれた気がして、暖かい気持ちになりました。ーひと月にどのくらいのペースでラグを制作しているのでしょうか。現在、木枠を2つ使用して作業しています。1週間で8作品を作るようにしているので、月で考えると30枚くらいですかね。ー1週間の作業工程としてはどのような流れになりますか?木枠にヘッシャン(タフティング用布)を張って打ち込みまでを1日で行い、翌朝に糊付け作業と乾燥、そして数日かけて仕上げという流れです。ーオリジナルを作る上でこだわっている部分などを教えてください私たちが作るものは、ウサギやパンダなどいわゆるキャラクターとして可愛い動物がメインです。デザインをしている妻の言葉を借りて話しますが、ラグに落とし込む際はキュートになりすぎないことを大切にしています。オーダーのラグも、100%で再現するとリアルになりすぎるので、どこで抜け感を出すかなどを考えているようです。最近はウサギに被り物をさせたり、蝶ネクタイなどで着飾ったデザインにも挑戦しています。ーこれから「fumeluca」を通してどんな活動をしていきたいですか?大きめのサイズのものに挑戦してみたいです。自宅でどこまでできるかわからないですが、フレームいっぱいの大きなラグ作りをしたいですね。また、私は普段、革小物を作っているので、レザークラフトとタフティングを混ぜたプロダクトなども今後は制作していきたいなと思っています。ー最後にタフティングをこれから始める方に一言お願いします。KEKEさんのワークショップでは、タフティングガンでの打ち込み作業がメインなので、一度参加された方は、打ち込み自体はできるようになると思うんです。これからお家でタフティングを始める方は、タフティングガンを使う時間だけではなく、その前後も大事になってくるのかなと思います。ガンを打つのってメインの作業ですし、一番楽しい部分でもあるんですが、真っ直ぐ打つためには、ヘッシャンをきちんと張ることが大事ですし、きちんと仕上げるためには、糊付けや糸の切り方、裏面の処理が重要になってきます。なので、前後での作業を大切にする者が、タフティングを制すのかなと思いますね。私たちもまだまだそこを追求していきたいです。🎥インタビューの様子はコチラからご覧になることができます! YouTube〔前編〕https://youtu.be/1WshLd-kYds YouTube〔後編〕https://youtu.be/xUpP7zDOQNkfumeluca(フメルカ)2022年4月にKEKEのワークショップにてタフティングを経験し、7月にオリジナルのデザインのラグを販売するオンラインショップをオープン。名前の由来は、初めて我が家のうさぎのデザインでラグを作った時に「これ絶対踏めない…!」と思ったことがきっかけ。「fumeluca」のラグを部屋に迎えて、私たちと同じように「これ踏めるか!」という気持ちを楽しんでもらいたいという願いが込められている。fumelca Online Shop:https://fumeluca.official.ec/fumelca official Instagram:https://www.instagram.com/fumeluca_rug/